いつも音楽があった。

夜中、久々にカーティスメイフィールドの遺作となった New World Orderの最後に収録されている「Oh So Beautiful 」を聴きながら、音楽をやるために生まれきた人間がいるとすれば、つくづくこの人もそのひとりだったんだなと思いました。古くはインプレッションズのグループ活動期から、70年代のニューソウル時代、80年代のディスコの波、90年代のレアグルーヴ再評価の時代にカムバック作の本作をリリース、つねに時代と向き合いながら、音楽の核にあるものは何ひとつ、ぶれていない。このアルバムはステージ中、不慮の事故で半身不随になり、ベッドに横たわりながらレコーディングした作品なのですが、この素晴らしい音楽家に対して周りのミュージシャンもリスペクトやバックアップを惜しまない。彼が影響を与えたHIP HOPの要素を逆に取り入れながらナツメロではなく現在進行形の音楽を作っていく。語りかけるようなやさしい歌声で最後の最後にこんな素晴らしい曲を残してくれました。彼は余命を悟っていたのかもしれません。この作品の3年後、1999年、彼は永遠の眠りにつきました。ロックンロール、ソウルの歴史を作ってきたミュージシャン達の素晴らしい作品にあと何枚出会えるだろうか。



70年代のアルバムが人気ですが
遺作の本作品も（解説・対訳付の国内盤）オススメです。

Curtis Mayfield/New World Order （1996年）

1. New World Order
2. Ms. Martha
3. Back to Living Again
4. No One Knows About a Good Thing (You Don't Have to Cry)
5. Just a Little Bit of Love
6. We the People Who Are Darker Than Blue
7. I Believe in You
8. Here But I'm Gone
9. It Was Love That We Needed
10. Got Dang Song
11. Girl I Find Stays on My Mind
12. Let's Not Forget
13.Oh So Beautiful